体外受精時の膣剤とは

体外受精にステップアップする人を悩ませる1つが膣剤です。
膣剤は黄体ホルモンを補充するために処方され、子宮環境を安定にし妊娠しやすい環境を目指すものです。

膣剤は体外受精をするまでは経験したことがない人の方が多いのではないでしょうか。
不安な方も多いと思いますので紹介していきたいと思います。

膣剤の利用期間

クリニックや処方される薬にもよりますが、私が通っているクリニックは以下のような機関で処方されました。

開始タイミング:受精卵の移植周期の移植日1週間前頃
終了タイミング:妊娠した場合 → 妊娠判定後約1か月後
        妊娠しなかった場合 → 妊娠判定日

膣剤の種類

膣剤にはいくつか種類があり、クリニックによっては選択することが可能です。

膣剤特徴
ルティナス専用のアプリケータ付のため初心者でも入れやすい
デュファストンに比べサイズが少し大きい
デュファストン指で膣内に押し込む必要あり
ルティナスに比べサイズが小さい

私は初めての膣剤の利用であったためルティナスを選択しました。
いずれも1日3回処方されるため、アプリケータ有だと日常生活で手荷物が増えるのがデメリットかと思います。

膣剤の利用時間

クリニックの方針や膣剤によっても異なりますが、私のクリニックでは1日3回処方されております。
中には1日2回というクリニックもあるようです。
24時間のうち3回入れる必要があるため、8時間おきに挿入が必要です。

私は、7時15時23時のタイミングで入れるようにしていました。

15時は仕事中のため忘れないよう、携帯に予定を登録し通知が来るようにしていました。

膣剤は毎日定期的に入れる必要があり少々ストレスが溜まりますが、子宮環境の安定化の作用があるため将来の妊娠に備え立ち向かっていきましょう。

採卵:低刺激法と高刺激法

体外受精のファーストステップとなる採卵ですが、最初に選択が求められるのが採卵方法です。
採卵には低刺激法、高刺激法がありどちらを選択されるか悩まれる方も多いのではないでしょうか?
そんな方達の選択のヒントになればと思います。

低刺激法

通常は1周期につき卵子は1個ですが、採卵誘発(自己注射)を行い卵子を複数個取得できるようにします。

  • 採卵数は1-数個となります。
  • 自己注射は1-2回程度となります。
  • 採卵数も少ないため、採卵時に麻酔なしでも負担なく実施できます

高刺激法

  • 採卵数は十数個となります。
  • 自己注射の頻度は毎日行います。
  • 採卵数も多く、採卵時に麻酔ありで実施するかも検討が必要です

判断ポイント

何個の卵子を取得することを期待するか

卵子の状態によって、人工授精できる卵子が必ずしも取得できるとは限りません。
また卵子が取得できたとしても、万が一、後続のステップで授精ができなかった、受精卵が育たなかった等の理由で採取した卵子がなくなった場合、また採卵ステップを踏む必要があります。
高刺激法により1回の採卵でたくさんの卵子を取得し採卵回数を減らすことを重視するか、低刺激法により採卵時の体の負担を減らし卵子を取得することを重視するのかどちらのスタイルを望むかご検討ください。

自己注射への抵抗があるか

これまで自己注射を経験している人は少ないでしょう。そのため自己注射に対する抵抗感を持っている人はいるのではないでしょうか。

自己注射は基本的にはご自身で実施いただきますが、抵抗ある人はクリニックにて注射してもらうことも可能です。ですが、クリニックに通う必要があり時間も拘束されます。
自己注射の頻度で低刺激とするか高刺激とするか判断するのもポイントです。

費用負担することができるか

低刺激法と高刺激法ではかかる費用も異なってきます。

高刺激法の方が、注射本数、採卵数、受精卵数などの数も多くなるため、低刺激法に比べ費用はかかってきます。どこまで負担できるのかも判断ポイントになります。

具体的な費用についてはクリニックにより費用が異なるため通院先の料金内容をご確認ください。

不妊治療は色々な決断が求められます。
不安な事もあるかもしれませんが、このステップを踏むことで結果が出ることを信じステップアップしていきましょう。

体外受精とは

不妊治療にはステップがあり、タイミング療法、人工授精、体外受精とあります。
身体的、経済的負担はタイミング療法<人工授精<体外受精となります。
それぞれのステップでどんな治療があるの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
各ステップごとに内容を説明していきたいと思います。

体外受精

体外受精とは、卵子を採卵し、体外で授精させて子宮に戻す方法となります。
採卵、授精、培養、移植と治療にはステップを踏んでいくため、今回はまずは流れについて概要のみ紹介します。

【採卵】

  • 卵子を取得するため「採卵」が必要となります。採卵は2種類あり、低刺激法、高刺激法があります。取得できる卵子の数に違いがあります。
    • 低刺激法:1-数個
    • 高刺激法:十数個   ※個人差があります
  • 採卵するために自己注射、座薬、点鼻薬の服用が必要となります。
  • 採卵は子宮から針を刺して取得します。麻酔の有無は選択できます。
  • 身体への負担もあるため、採卵日当日は安静が求められます。

【授精】

  • 取得した卵子と精子を授精させますが、方法は2種類あります。
    • 媒精:専用容器に卵子、精子を数時間一緒に培養し授精を促す方法
    • 顕微授精:卵子に針を刺し、精子を卵子の中に入れ授精を促す方法
  • 上記方法で必ず授精できるわけではなく、授精できる卵子、できない卵子が出てきます。

【培養】

  • 受精卵を培養します。培養過程で力尽きる(細胞分割しない)卵子もでてきます
  • 移植方法によって、培養期間は異なります

【胚移植】

  • 培養した受精卵を子宮に戻し着床を期待します。
  • 子宮に戻した受精卵は必ずしも着床するわけではありません。
  • 生理予定日付近で妊娠判定を行います

今回は体外受精の流れについてご紹介しました。
体外受精は上記ステップを踏んだ治療となり身体的、経済的にも負担がかかります。
詳細は別途また記載したいと思います。

人工授精とは

不妊治療にはステップがあり、タイミング療法、人工授精、体外受精とあります。
身体的、経済的負担はタイミング療法<人工授精<体外受精となります。
それぞれのステップでどんな治療があるの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
各ステップごとに内容を説明していきたいと思います。

人工授精

人工授精とは、チューブに精液を入れ排卵する卵巣付近に注入する方法です。
女性観点、男性観点でのポイントは以下となります。

【女性】

  • 卵巣は左右に1つずつありますが、排卵はどちらか片方から行われます。
    排卵前にエコーで左右どちらから排卵が起こるか確認し、チューブを挿入します。
  • 卵管が細い人はチューブ挿入時に痛みを伴う場合があります。
  • 施術前後で継続した薬の服用は特にありません。

【男性】

  • 人工授精日当日に精液(検体)の提出が求められます。
    検体は温度変化に弱いため、人肌温度を保ちながら提出が望ましいです。
    冬の寒い時期は冷えすぎないよう身体の近くにもつ等工夫してください。
  • 検体は取得後1-2時間以内には提出が必要です。

以上が女性、男性のポイントとなります。
メリット、デメリットを整理すると以下となります。

メリット卵巣付近まで精子を届けることができるため、卵管が原因で不妊となっている人に効果があります。
薬の服用もないため身体的負担は割と少ないです。
デメリットチューブ挿入時に出血を伴う場合があります。

タイミング療法とは

不妊治療にはステップがあり、タイミング療法、人工授精、体外受精とあります。
身体的、経済的負担はタイミング療法<人工授精<体外受精となります。
それぞれのステップでどんな治療があるの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
各ステップごとに内容を説明していきたいと思います。

タイミング療法

タイミング療法とは、医師の指示のもと夫婦生活をもって妊娠を目指す方法となります。
自然妊娠とほぼ同じため、身体の負担はありません。
医師の指示とは何かというと、子宮の内膜の厚さをエコーで確認し、排卵日を予想し夫婦生活を持つタイミングを指定します。

タイミング療法で効果がある方は、生理周期が安定していない方となります。

生理周期が毎月安定していて、生理日をアプリ等で管理している人はアプリでも排卵日予想は把握できるため、その予想日から大きく外れることはないと思われます。

メリット生理周期が安定しない人は適切な排卵日を把握でき効果的
薬の服用も少なく身体への負担は少ない
デメリット生理周期が安定している人は別の原因があり効果がでない可能性あり

生理周期が安定している人の場合でこれまでご自身でタイミングをとって妊活されてきた方は、次にステップアップしていくことをお勧めします。